第九Chapter象りプロセス続きC

    プロセスの続き~C

39・”象り”は変化する          
40・奇正之変(紅葉返A)Momijikaesi A
41・奇正之変(紅葉返B)Momijikaesi B
42・夕月変       Yuuzukikawari
43・指 宿       Ibusuki
44・脇嵩押 (十文字) Jyuumonnji
45・肘押極 (揺 篭) Yurikago
46・肘押極 (入 違)  Iritigai

     “象り”は変化するもの

“変化”だ。最初の“やわら”とは、前で述べたように、相手の変化に
対して虚実を知って、その変化する状況の中で、人が一貫性を維持
する方法はただ一つ、それは、状況に合わせて変りつつも、決して
重要な目的を見失しはない事である。しかも、手足の働きを習わし
一体でなければ変化に応ずることも制する事もできない。だから
“変化”はその場その場で自然に生まれるものだ。
変化こそ宇宙の本質である、だから“やわら”は常に変化においてと
らえなければならない。
“やわら”も宇宙と同じく点と言う変化のあつまりだ、しかし相手の
動きに応じて景色が変わるから、極まった“象り”がない。
“象り”は変化するものに変化が伴わないものは“やわら”とは言えな
い。
“やわら”は無限の変化の集まりだと思う、その相手の景色に対して
虚実を知って、その変化する状況の中で、人は一貫性を維持する、
その方法はただ一つ、それは、状況に合わせて変りつつも、決して
重要な目的を見失しはない事である。しかも、手足の働きを習わし
一体でなければ、変化に応ずることも制する事もできない。
 宇宙の作用も陰陽の変化によって現れる、その陰陽の作用をもっ
て相手の虚実を知ることである、その虚実は、千差万別に違うもの
であるが、その違うところを見て、もとは一つである処を知る、も
とを知らないときは“象り”も鮮明にならない、また景色も応用する
こともできない、だからもとの在り方を知って景色に応ずること、
景色に応ずることは、一つの“象り”にこだわらず景色に身をゆだね
ると言うことだ。
 そして、景色の変わりは相手の体に対し無理矢理な加力さえしな
ければいい、それが“やわら”の方法論だ。
 そして“象り”の景色は正と寄の二種に過ぎない、これを組み合わ
せれば無限に変化する。
 その景色は、正は寄となり、寄は正となり、円いリングに連なっ
て永遠に尽きる事がないと、孫子は曰く。
 次に、“象り”が正から寄に変わる、 寄は正となる”象り”の変化す
る景色を数法、解説する。

 ・寄正変(紅葉返変化A)Momijikaesi A YouTube

 

(一図)(捕方)右足を左足の後に退き受方の右手を廻し下しながら
        右側に送り
(二図)    同時に受方の右手を右手で掬い
(三図)    左足を受方の右側に踏み出しながら受方の右手を受
        方の右肩口に送る(この時受方の右手を我が左手の
        親指を受方の手甲の右小指の第三関節に当て後の四
        指は小指側の掌をつまむ)と同時に受方は魂抜手で
        捕方の作用を封じ


(四図)(受方)捕方の右肘に左手を当て右足を横に開きながら捕方
        の両手を右上方へ伸ばすこの時捕方は左足を横に開
        く
(五図)(捕方)受方の右肘関節に右肘を当て
(六図)    左足の内側に右足を寄せながら受方の肘関節を圧し
        ながら倒す。(受方の変化を封じ込めた変化)

  ・寄正変(紅葉返変化B)Momijikaesi B YouTube

 

(一図)(受方)捕方の右手を左手で取る(親指を受方の手甲の右小
        指の第三関節に当て後の四指は小指側の掌をつまむ
        )その親指の上に右手を添え捕方を紅葉返しで投げ
        んとする、
(二図)(捕方)右足を右側に開きながら受方の右肩に左手を当て同
        時に右手を右上へ伸ばして変化しようとするが


(三図)(受方)左足の内側に右足を寄せながら右肘を捕方の右肘関
        節に当て枝垂れて倒さんとする
(四図)    その瞬間に右手を捻りながら諸手投げのように受方
        の両手を掬いながら
(五図)    右足を左足の内側に踏み込み受方の肩を圧し我が前
        下に投げ落とす。


   ・寄正変(夕月変)Yuuzukikawari YouTube


(一図)(受方)右足を進めながら右手で捕方の左手を取って引く
(二図)(捕方)其の瞬間、核で千早を描きながら肘で受方の右手の
        内側から掌を上に向けて振り上げる其とき受方はパ
        ワーを抜き肘を上げる(“象り”に抵抗する)
(三図)    右手を逆に廻しながら右足を左足の後に退き


(四図)左足を横へ開きながら受方の右手を下方へ圧し同時に右手を
    受方の後首に当て
(五図)右足を左足の後に退きながら受方の右手を受方の背後へ大き
    く廻し上げ(矢倉投の象り)
(六図)左足を捻り戻し受方を投げ落とす。
    奇正変(三図)から(本逆六図)に変へる事が出来る。

      ・指 宿 Ibusuki YouTube


(一図)(捕方)右足を進めながら右手で捕方の左手を掴んで引く
(二図)(受方)其の瞬間、千尋を描きながら左手を受方の右手の内
        側から掌を上に向けて振り上げ
(三図)    捻り戻しながら下方に圧し

 

(四図)    右手で捕方の右手を受け取りながら
(五図)    捕方の右側に左足を進め同時に捕方の右手を取り
        (親指を捕方の手甲の右小指の第三関節に当て後
        の四指は小指側の掌をつまむ)捕方の右肩口へ送
         り(紅葉返変化イで投げんとする)
(六図)(捕方)その瞬間、魂抜手(八機手参照)で受方の“象り”
         を封じる

 

(七図)左手で受方の右手甲を取り小指側を顔に向け下に捻りながら
    指先を受方に向け(指宿)
(八図)右手を捻り戻しながら手刀にして受方の右手首に当て
(九図)左足を左側に開き受方の右手首関節を極みながら受方を投げ
    る。

   ・脇嵩押(十文字)Jyumonnji YouTube


(一図)(受方)左足を右足の後に退きながら右手で捕方の左手首を
        取り左手で上腕を取り
(二図)    右足を自然体に直しながら捕方の腕を圧して極む、
(三図)(捕方)其の瞬間、小胸筋を緩めながら左肘を左掌を上に向
        けて捻り同時に左手の裏側から右手で受方の右手を
        取り


(四図)右に引きながら左足を捻り同時に左手を我が額に付け
(五図)右足を受方の左足の前に進めながら額に付けた左手で受方の
    右手を取りながら同時に受方の右手を受方の腹部に当て
(六図)左足を右足の後に退きながら


(七図)右足を右側に開き受方の右肘関節の上に十文字に左腕を当て
(八図)右足を左足の後に退きながら受方の右手で左手を挟むように
    押さえ
(九図)そのまま左足を踏み替え受方の左手を右手で更に圧し受方を
    投げる。

    ・肘押極(揺 篭)Yurikago YouTube


(一図)(受方)左足を右足の後に退きながら右手で捕方の左手首を
        取り左手で上腕を取る
(二図)    右足を自然体に直しながら捕方の腕を圧して極む、
(三図)(捕方)其の瞬間、小胸筋を緩めながら左肘で掌を上に向け
        て捻り


(四図)右に引きながら左足を浮かして受方の左手を外し同時に受方
    の右手を右側に引き
(五図)左足を下し同時に左手を受方の右腕の穴(清冷淵)に左小手
    を当て
(六図)玄で千尋を描きながら受方を投げる。

     ・肘押極(入 違)Iritigai YouTube


(一図)(受方)左足を右足の後に退きながら右手で捕方の左手首を
        取り左手で上腕を取り
(二図)    右足を自然体に直しながら捕方の腕を圧して極む、
(三図)(捕方)其の瞬間、小胸筋を緩めながら左肘で掌を上に向け
        て捻り


(四図)左手を右側に引きながら受方の左手を外し同時に左手の下か
    ら右手で受方の右手を取り
(五図)我が左肘を後へ引き
(六図)受方の右手の内側から差し込み


(七図)受方の後首に当て
(八図)右足を左足の後に退きながら受方の右手を下方へ圧し同時に
    首も圧する
(九図)左足を自然体に直しながら左手を我が前下に差し込み受方を
    我が前下に落とす。

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