第十三Chapter 体当たりを“象る”

     体当たりを“象る”

 

  ・体当たりをして来た瞬間
01・肩で体当たり (響 玉)Yuratama
02・体当たりA   (響 玉)Yuratama
03・組み付いてくる(瓢 投)Sikoronage
04・足を掬うとする(瓢 掬)Sikorosukui
05・左右に揺らぎ体当たり(辰巳掬)Tatuminage
06・体当たりB   (辰巳巡)Tatumimeguri

  ・体当たりをして来た瞬間

 体当たりは捨て身の戦法でじぶんを犠牲にするところが多い。そこ
で体当たりをする運動の勢いを考えてみよう。
 お相撲さんAとBが左右から正面衝突をした。しかし跳ね返らずに組
み合った場合、どうなるだろうか。勢いのある方が勝つて、その向き
に進み、そうでない方は押される形になる。それはスピードがあり質
が大きいほど勢いが強いように考えられる。
そこで運動の勢いが同じであればどうなるか、とうぜんAとBの二人
の運動量が同じであるから変化はしない。要するに保存の法則である
“やわら”はそれでは身を守る事は出来ない、そこで体当たりをして来
る相手が体が大きくてパワーがありそうだ、だからスピードを入れて
対等にぶつかって勝負しようとする。それは大きな間違いだ、なぜ?
 変化が出来ないから意味がない。また千尋も描けない。
ではどうするか!
 体当たりする相手は距離の感覚を把握している。そこで我は千尋を
描きながら半歩踏み込み相手の距離の間合いを盗み、運動の勢いを弱
く変える事、すなわち運動量を短くすると運動量が弱くなる、さらに
柔六法の犬笛を用いるから相手より弱くても勝つことが出来る。 
 何か不安を感じるが~不安を感じると“象り”が形になり(力)その
もので、その不安を取り除くには一人稽古が一番、それより方法がない!
 それが出来たらお相撲さんを投げることが出来る。

  ・肩で体当たり(響 玉)Yuratama YouTube


(一図)(受方)左構えから右足を進めて右肩から捕方へ体当たりす
        る
    (捕方)其の瞬間、左足を半歩進めながら受方の体にメビウ
        スで腰から当たり同時に受方にの背に左手を当てな
        がら右肘関節に当て
(二図)    腰を捻りながら受方の背中に当てた左手を右方へ滑
        らし同時に受方の左肘関節を圧しながら
(三図)    受方を我が右側に落とす。

  ・体当たり(響 玉 A)Yuratama YouTube


(一図)(受方)左構えから右足を進めて捕方へ体当たりする
(二図)(捕方)其の瞬間、左足を半歩進めながら受方の体にメビウ
        スで腰から当たり同時に受方の右手首に図のように
        左手を当てながら右手を左肘関節に当て
(三図)    関節を圧しながら腰を捻り我が右側に落とす。

  ・組み付いてくる(瓢 投)Sikoronage YouTube


(一図)(受方)右足を進めて両手で捕方の腰に飛び込んでいく、
(二図)(捕方)其の瞬間、二之歩で捌きながら左手を受方の右手の
        上に右手を受方の左手の上に同時に振り上げ


(三図)左足を受方の斜め前に開きながら右手で受方の左手を上から
    圧し同時に左手で受方の右手の上から当てて捻って掬い
(四図)受方の左手を我が左下へ掬いながら受方の右手を上方へ大き
    く廻し上げ
(五図)我が前下に投げる。

   ・足を掬う(瓢 掬)Sikorosukui YouTube


(一図)(受方)右足で飛び込みながら両手で捕方の両足を取りに行
        く、
    (捕方)其の瞬間、左足の足先を捻り両手を左側から廻し上
        げ下しながら左手を受方の右手の上に右手を受方の
        左手の上に同時に振り下し
(二図)    右膝を左足の内側の地に付きながら右手で受方の左
        手を我が左側の下へ掬い
(三図)    同時に受方の右手を上方へ大きく廻し上げ我が前下
        に投げる。

 ・左右に揺らぎ体当たり(辰巳掬)Tatuminage
                    YouTube

 

(一図)(受方)右足を踏み込み両手を広げて捕方の腰に飛び込む、
(二図)(捕方)其の瞬間、右足を左足の後へ大きく退きながら左背
        手を受方の右胸に当て

 

(三図)左手を受方の右腕と脇腹の間に差し入れながら左足を我が右
    足の親指の前に合わせ(この時90度の角度となる)
(四図)受方の右手を左手で掬いながら受方の右手を上方へ上げ右足
    を左足の後へ退きながら体を回転して
(五図)右足を平行に直しながら受方を我が前下に投げる。

  ・体当たりB(辰巳巡)Tatumimeguri YouTube

 

(一図)(受方)右足を踏み込み両手を広げて捕方の腰に飛び込む、
(二図)(捕方)其の瞬間、右足を左足の後へ大きく退きながら左背
        手を受方の右胸に当て

 

(三図)左手を受方の右腕と脇腹の間に差し入れながら左足を我が右
    足の親指の前に合わせ(この時90度の角度となる)
(四図)受方の右手を左手で掬いながら受方の右手を上方へ上げ右足
    を左足の後へ退きながら体を回転して
(五図)右足を平行に直しながら受方を我が前下に投げる。

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