相対手Chapter(21世紀を紡ぐ)

       相 対 手

  ・”円”             Rinngu

  ・相対手~基本 Soutaisyu~Kihonn

  ・北斗の譜     Hokutonofu

  

         01・一星  itijyou
         02・二星 nijyou
         03・三星  sannjyou
         04・四星  yonnjyou
         05・五星  gojyou
         06・六星  rokujyou
         17・七星  nanajyou

  ・“円”
ある意味、当流としても行き着くべくして行き着いたのはここなので
はないか、と思える象徴的な練習法である。初歩では「円転手」と呼
んでいるが、動作を感得すれば”相対手”(そうたいしゅ)と言う。
互いに手を接触させ、その均衡を維持させながら回転させていく中で
相手の景色を感得し合い、機に応じて相手を崩す。
一見して中国武術の「推手」に似るが、(力)で “押すことによる崩
し”を徹底的に排除しているところが大きく違う。
で、なぜ相対手を習うか?
つまり、こう言う形でなりがちが“押し合い”をやってはいけないのだ
と言うより、有事の時、その瞬間、互いにめちゃくちゃに組み合う事
になる。その状態を回避するための”相対手”ある。では相手を崩すた
めには何をすればいいのか。
 まず肘を使うことだ。手先を使えば(力)になる。そして“円”を描
くようにしか出来ていない。“円”はこれ以上にも、以下にもない、自
然な動作だ。
 “円”の動作はどの瞬間をとってみても変化し続けている。一瞬たり
とも方向が固定される瞬間がない。つかまえようとしても無理だ。
不自然に“象ろ”うとすれば、たちまち相手に“象ら”れてしまう。
不自然な“円”を描けば、必ず相手はそれに反応する。
それが“象り”となる。つまり、有事の時に、一方的に相手を倒そうと
することなどはできないのだ。これは、普遍的な真理なのではないだ
ろうか。
自分勝手に相手を倒そうと剛強を極めても、必ずどこかで立ちいかな
くなる。できるのは、静かに“円”を描き、相手に行動してもらうだけ
だ。その代わり、それが出来るくらいなら、もう何も必要ないのでは
ないか。                                           そのように“やわら”の“象り”は“円”で始まり“円”を描き続けて終りも
完成もない。
 そのよううであるが、“象り”は相手がいるから、糸縒車で紡ぐよう
に“象ら”ないと心も体も劣等する。だから“やわら”は孤独だ。チーム
力もないが、自らの身体と玄のみで優劣する。結果の良し悪しは自分
にはね返ってくる。互いに“円”を描くが一人でしかない。
 しかし、“象って”いる限りは違いを知る、違いを知ってこそ前に進む、前に進ことは、進化したと言うことだ。
 そして、“円”の中には確実に愛情がある。
だから“円”を描く”象水手”には、「卓越」「友情」「敬意」の三者が
凝縮されている。

    ・相対手の基本 Soutaisyu YouTubu

 芸術には・山あり・谷あり・川あり・淵あり・たまに平地もあるが
その所に、滞ることもなく、目に見えない形を、形のない風に吹かれ
水の流れるように象る姿が“相対手”だ。

                                                 (一図) 双方共に1メートル8センチ位、離れて立って向き合う
(二図) 双方共に左足を斜めに進め左手を外側から廻し上げながら
     斜め前に拝むように出し

                                                 (三図)互いに右手の手首に右手を当てる
(四図)受方捕方の右手を胸前に右手で推す捕方は左膝を屈しなが
    ら左手を受方の右腕に上から当てる
(五図)捕方は右肘を上方に上げ

                                                 (六図)右脇に肘を下しながら右手を右肩前に立て
(七図)右脇に下しながら受方の右手首に当てるこの時、受方は右手    首を自分の方から捕方の手に当てる
(八図)捕方受方の右手を胸前に右手で推す受方は左膝を屈しなが
    ら左手を捕方の右腕の上から当て

                                                 (九図)受方は右肘を上方に上げ
(十図)右脇に下しながら捕方の右手首に当てるこの時、捕方は右手
    首を自分方から受方の手に当てる
(十一図)受方捕方の右手を胸前に右手で推す捕方は左膝を屈しな
     がら左手を受方の右腕に上から当てる

 

(十二図)捕方は右肘を上の上げ
(十三図)右脇に肘を下しながら右手を右肩前に立て
(十四図)右脇に下しながら受方の右手首に当てるこの時、受方は右
     手首を自分の方から捕方の手に当てる
     続いて(七図)から繰り返し稽古を続ける。   

        ・北斗の譜

    ・北斗ノ譜~一 星 Itise YouTube

 

(一図)(捕方)受方の右手を胸に向けて推す
(二図)(受方)腰を引きながら右肘を上方に上げ
(三図)    右肘を右脇に下し

                                                 (四図)後方に引き
(五図)捕方の右手を胸へ推し返すその時捕方は左膝を屈しながら体
    を緩めて受方の勁を止め
(六図)左膝を伸ばしながら体を延べて右肘で受方を撥ねる。

    ・北斗ノ譜~二 星 Nise YouTube

 

(一図)(捕方)受方の右手を胸に向けて推す
    (受方)右肘を上方に上げ廻しながら右肘を右脇に下し
(二図)    右肘を後方に引き
(三図)    捕方の右手を強く押し返す

                                                (四図)(捕方)受方の右手を我が左側へ流しながら
(五図)    右手を伸ばし左足を右足の後に退き同時に右手の下
        から左手で受方の左手を取り
(六図)    右足を横に開きながら位を取る後は変化に替わる。

    ・北斗ノ譜~三 星 Sannse YouTube

 

(一図)(捕方)受方の右手を胸に向けて推す
    (受方)右肘を上方に上げ廻しながら右肘を右脇に下し
(二図)    右肘を後方に引き
(三図)    捕方の右手を強く胸へ推し返すと捕方は体を仰け反

 

(四図)(捕方)右足を退き体勢を整え
(五図)    右手を伸ばし左足を右足の後に退き同時に右手の下
        から左手で受方の左手を取り
(六図)    右足を横に開きながら位を取る後は変化に替わる。

    ・北斗ノ譜~四 星 Yonnse YouTube

 

(一図)(捕方)受方の右手を胸に向けて推す
    (受方)右肘を上方に上げ
(二図)    右肘を右脇に下しながら
(三図)    右肘を後に引

 

(四図)    右手で捕方の右手を胸へ推し返し
(五図)(捕方)右足を左足の内側に退きながら受方の右手を我が右
        側に下げ受方の右手を取り
(六図)    左足を斜め前に踏み込みながら左手で受方の右腕に
        当て象りに変化する。

    ・北斗ノ譜~五 星 Yonnse YouTube

 

(一図)(捕方)受方の右手を胸へ推す
    (受方)その瞬間、右手を左側へ伸ばし
(二図)    大きく廻し上げながら左手を捕方の腕に当て
(三図)    廻し下しながら捕方の左肩に捕方の右手を当て

 

(四図)(捕方)受方に肩に乗せられた右手を我が左側に伸ばし
(五図)    左側から大きく廻し上げながら左手を受方の腕に当
(六図)    我が右側に受方の右手を引き下げ両手で象りに変化
        する。

    ・北斗ノ譜~六 星 Yonnse YouTube

 

(一図)(捕方)受方の右手を胸に向けて推す
    (受方)右肘を上方に上げてから右肘を右脇に下し
(二図)    右肘を後に引き
(三図)    右手で捕方の右手を胸へ推し返しながら右膝で捕方
        の右膝の内側から当てて崩さんとする

 

(四図)(捕方)右膝を伸ばしながら受方の膝を空を切らし
(五図)    我が膝を受方の右膝の外側から圧し
(六図)    受方を崩し倒す。

    ・北斗ノ譜~七 星 Yonnse YouTube

 

(一図)(捕方)受方の右手を胸に向けて推す
    (受方)その瞬間、右手を右脇に下げながら左手を捕方の左
        手の下に当て
(二図)    上方へ掬い上げ
    (捕方)左手を掬われながら右手を受方の左肘関節の下から
        当て
(三図)    右足の後へ左足を退きながら受方の左手を手車で廻
        す


(四図)右足を直しながら受方の左腕の(清冷淵)上肢背部参照に右
    手を当て受方の腕を封じ
(五図)揺篭で受方の右肘を圧しながら左足を進め
(六図)受方を倒す

 

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