第六Chapter やわら六法

       やわら六法

  ・“玄”の作用

01・     Kasumi
02・枝垂桜  Sidaresakura
03・千 尋 Tihiro
04・上 善  Jyouzenn
05・山 彦  Yamabiko
06・波 心  Hasinn
07・石 火  Seltuka
08・犬 笛  Inubue
09・金 縛  Kanasibari
10・竹 符 Takefu
11・無 為  Mui
12・“やわら”の心得

   ・“玄”の作用(gennnosayou)YouTube
“やわら六法”は、当流の“象る”プロセスの中で必ず“玄”のエネルギー
が作用するもの“霞み” “枝垂桜” “千尋” “上善” “山彦” “波心”
“石火” “犬笛” “金縛” “竹符” ”無為”と十一法の基本的な作用を行
う象りの記号がある。
 しかし、その十一法をまとめて“やわら”六法とは言わない。
 それは、天地の二極と、東西南北、四つの方位を足したものを六法
という。この六法は、個々に慣性の“象り”が含まれ、石火に“やわら”
六法があり、霞みにも“やわら”六法あり、波心にも“やわら”六法ある
と言うことである。
すべて普遍的なものであるが、<掛け算>のようなもので<割り算>
のようでは、“やわら”六法にはならない、例えば、“霞”に<千尋>を
抜いても<竹符>を抜いても、“霞”は残るが景色の“象り”にならない
だから、象りの全てに“やわら”六法は、必要不可欠である。
ただ自然の在り方を示した言葉で、六種類あると言う訳ではない。

“霞”kasumi手や腕を使って相手の体や腕を擦りながら経絡を遮断し
  YouTube たり、または移動させたりして、相手の重心を揺らぎ
        崩す。

 

(一図)捕方の胸椎の3番に左手を当て右手を腹部に当て
(二図)同時に任脈を擦り上げ督脈を擦り下げ経絡を移動する
    (矢印の方向へ)
(三図)左掌で腰を圧して右掌で胸を圧するこれは同時である。。

“枝垂桜”Sidaresakura相手の手や腕に重みを載せて枝垂れるよう
       YouTube に前方へお辞儀をし、相手の裏側へ崩し落
            とす。

(一図)右手首を受方の関節の下に当て
(二図)右足を踏み込みながら右手を伸ばす矢印は(霞)
(三図)頭を垂れながらお辞儀をする。

“千 尋”(Tihaya)=横は宇宙のように広く、縦はブラックホールの
     YouTube ように深い、その存在する処は、背骨の命門と
           陽関の間が “核”! 脊椎参照
           その“核”を大宇宙とイメージする、そこに住む
           エネルギーが“玄”だ。
           相手の平衡感覚を崩す動作系としては “波心”に
           似るが“波心”は媒質“千尋”(“玄”)はリングだ
           しかし“千尋”を広げれば竜巻になる、逆に狭ま
          れば、鳴門の渦潮になるという事はない。
          「リング」はあくまで、移動するだけである。
           だけど相手のパワーの源を崩し、その「リング
          」はあくまで移動するだけである。その“千尋”
          (玄”)を描く稽古は“核”の中で「リング」を
          描く。

(一図)初心者は棒の先端に両手を重ね腰ではなく“核”で円を描く。
(二図)棒を外し、両手を水平に浮かし肘の高さで鉛筆をイメージし
    て「リング」を描く。摺子木(すりこぎ)のような回転はだ
    め!そして、「リング」を感じるようになったら、筆をイメ
    ージして「リング」を筆で描く。その円はブラックホールを
    イメージするが、そのリングの中は強い重力のために物質だ
    けでなく光さえ脱出することができない天体だから参考にす
    るとよい。
(三図)片手の時は<核><肘>の二点がリングになればOKですが、
    手がリングを感じるときは、信用するにあたいしない。
    稽古は左右、裏表の四象だから、肘がリングになればOKだ。
    
“上 善”(Joeann)=不争の精神のこと。水は柔らかく弱く自然に
      YouTube 従い争うこともなく無心順人のように相手の
          行動に従い、水のように下に立つ事ができる
          ちょうど、童駆のように相手に引かれたまま、
          その様にしたがってはじめて“やわら”に近ず
          ける。

(一図)相手が右足を進めて左手を取り、引き込んできた時相手に従
    い左足を斜め前にめ進め
(二図)右足を左足の踵の後に踏み込み
(三図)そのまま気にせず相手の引く力に追随するように腰を落とし
    つつ左足を開き同時に左手を相手の右踵の後下に差し込む。


“山 彦”(Yamabiko)=掌を使って相手の腕や体に触れて促し、反
      YouTube 応さる操作。反応が起きた瞬間、答える次の
                 動作に0.3秒の遅れが生ずる。

 山 彦

(一図)相手の右手を取り左足を相手の右横に踏み出しながら肩に
     手を当てると答えて硬くなる
(二図)右肘を相手の首に当てながら右足を踏み込む、
(三図)左足を進めながら右肘を差し込む。


”波 心”(Hasinn)相手の腕や体に手を触れて、核で円を描き相手
     YouTube に媒質を伝えて共振させる。

(一図)相手の右手を取り左足を相手の右横に踏み出しながら肩に
(一図)胸襟を取りに来た相手に、
(二図)上から右手首を当て、その右手の上に左手を添え左足を開
    くと(波心)が起き
(三図)右膝を地に付くと相手は崩れる。


“石 火”(Setuka)=左右の相対的な時間差をもって操作する。その
     YouTube 時の結果は反作用が生じて崩れる。

      (イチ)(ニィ)
(一図)千尋を描きながら受方の右手を左手で摘まみ下方へ圧しなが
    ら
(二図)時間差で右手を受方の左手に当て同時に肘で上方へ上げ我が
    左横に投げる(左右の手どちらが先でも同じ)

“犬 笛”(Inububue)=自分の行動のこと。象りの中で相手が力で抵
      YouTube 抗した時、その瞬間に象りをやめて(ゼロに
           する)小胸筋を緩めると、弱の重(おも)みに
           変化して、次に象り直す。

(一図)千尋を描き象らんとする、そのとき相手が左手を封じてくる
(二図)それに対して瞬間的に拮抗状態になつた時“象り”をやめて小
    胸筋を緩めながら脱力し新たに千尋を描き円月の象りで
(三図)我が左側に受方を投げる。

“金 縛”(Kanasibari) =相手の静動のあるところを当てる事によ
      YouTube  り心気を約2秒ほど滞らせ、運動を一時
            的に封鎖する柔らかい金縛りは、手先な
            どに触れると同じ状態になる.

 

(一図)右手を取り相手の左側に回り投げんとするが相手が左手で
    封じてくるから、我左手で相手の左小手を打つ(金縛)
(二図)左足を軸で回転しながら
(三図)相手の右手を我が右側に下し右足を引き相手を倒す。


“竹 符”(Takefu)=竹符とは“象り”では(響波)と言う。
     YouTube 左右の“象り”が(メビウス)の感覚で“象る”。
          相手の体を四次元の感じを与えるようにして平
          衡感覚を奪い、優しい手で触れることによって
          相手の(力)による反応を誘起し、反作用を起
          こさせる、弱は役に立たないようだが、重さと
          言う素晴らしい要素がある。それは前の膝を屈
          するのではなく、後の膝を屈し(後屈立)次に
          膝を伸ばす事になる、これを竹符という。これ
          も相手の重心を揺らいで倒す。竹符は膝の使い
          方であるが同時に足の裏にも最善の“象り”が
          あるそれは、足の裏でリング(千尋)を描く、
          勿論リングは核で描くが、足の裏も核で描く、
          描くというよりそれに繋がって“象り”になる。


(一図)左足を屈しながら右足の膝を緩め同時に相手の胸に右
(二図)右手を胸から腹部まです り下げ(霞)左膝を柔らかく伸ば
    しながら手を千尋で当て
(三図)右足の踵から<立方骨から楔状骨>と踏み込み(竹符)右膝
    を屈して相手を倒す。どれも力まずに日常動作のように行う
    プロセスだから人の重心は誰でも崩れる。

         ・足の千 尋Asinotihiro)

踵から全体の足を地に付け、グリーンの矢印、踵から、立方骨、楔状
骨と円くリングを描く。
注 意=親指を地に付けると体が宙に浮くから気をつけること。

”無 為”(Mui)=“象り”で何の手も加えていない、であるから投
     YouTube げようと思う心、推そうと思う心は最初からな
          いだから総てに及ぶのである。
          ただ相手が触れた時から相手の景色が“象り”の
          すべてに及んでいる、そうであるから無為にし
          て為さざるなし、唯、相手の景色を観察しなが
          ら歩くだけの事。

 

(一図)(受方)左手で右手を取り右手で捕方の左肩を推す、
    (捕方)その瞬間、体を緩める
(二図)    千尋を描きながら左足を図のように開き
(三図)    左側に両手を枝垂れると受方が倒れる。

       ・“やわらの”心得

Q01常に姿勢は優しく。
  枝垂れるから姿勢が正しくなる。
Q02抑え込まれたら。
   脊椎を緩める(小胸襟)で緩める。
Q03力には抵抗しない。
   抵抗しなければ、相手が虚実の変化で反作用が生じる。
Q04力を使わない。
   相手に触るのに力は要らない、無駄なことはしない。
Q05練習は力で象らない。
   象りは慣性だから、力では象れない。さらに練習内容は小脳で覚
   えることを要とする。
Q06腕を下げたい時は。
  まず上げて下す。
Q07腕を伸ばしたい時は。
  まず縮めて伸ばす
Q08相手を投げようとしない。
   投げようと思った瞬間、象りに力が入り表裏に落ちる。
Q09手と足は使わない。
  手足は、肘、膝関節の道具である、その道具にはエネルギーがな  い。
Q10相手の手や衣を掴まない。
  手や衣を掴むと(力)になる、(力)は風が吹いて反作用が起き  る。
Q11相手の力を感じたとき。
  自分が象りに力を入れたから感じる。
Q12二之歩を主とする。
  真に完全なものはどこも単純で欠けているようだがその働きは永
  遠に止むことがない。
Q13無心順人。
  相手が我れより離れようとする時は自己を無にして、相手に順う
  (相手の動作に着いていく)
Q14斉下の丹田は使わない。
  丹田に気を置くとすべての動作が力に変わる。

  だから丹田に(力)が充ちて、”玄”は悲しむ。
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